こんにちは、Appyです。
最近はクレジットカードの事務手数料が値上げされ、
「海外ではどのカードを使うのが一番お得なのか」
気になる方も多いのではないでしょうか。
Wiseカードは
「手数料が安い」「レートが良い」とよく言われており、
私自身も普段から使っています。
ただ、正直なところ、
本当にどこで使っても同じように安いのかは、
はっきり分かっていませんでした。
そこで今回、地中海クルーズに参加した際、
カード決済やATM利用を実際に行い、
どれくらい差が出るのかを実測で検証してみました。
その結果、
約30万円分使っただけでも、
手数料の差でおよそ8,000円分の違いが出ました。
この記事では、
カード決済・ATM利用の実測データをもとに、
- Wiseの適用レートは本当にお得なのか
- どの通貨で支払うのが有利なのか
- 実際、どれくらいお得になるのか
- ATMの選び方で何が変わるのか
- お店やネット決済で注意すべきポイント
今回の検証について(前提と条件)
今回の検証は、地中海クルーズ中に実際に行った
カード決済とATM利用の実測データをもとにしています。
地中海クルーズでは、短期間で複数の国を移動するため、
国ごとに通貨やATMの運営会社、手数料体系が異なります。
その結果、どの通貨で支払うか、どのATMを使うかによって、
実際にかかる手数料が変わる可能性があります。
使用したのは Wiseデビットカード(物理カード)。
支払い通貨は、状況に応じて 円(JPY)・米ドル(USD)・ユーロ(EUR) を使いました。
確認したのは、
- 決済時の為替レート
- Wise側に表示された手数料
- ATM引き出し時の手数料表示
- 引き出し後のアプリ上の処理内容
実際の決済画面・通知・レート表示を見た体感ベースで比較しています。
なお、為替レートや手数料は利用時点の条件によって変わるため、
この記事の数値は 私が使った時点での実測結果 である点をご理解ください。
この前提をふまえて、
次の章から具体的な結果を見ていきます。
結論①|Wiseのレートは「市場そのまま」|手数料は別枠で表示される
Wiseには、為替レートを確認するための
「Wise Converter」 というツールがあります。👇
ここに表示される JPY→USD、USD→JPY のレートは、
市場で取引されているリアルタイムレート(ミッドマーケットレート)そのものでした。
2025年12月24日20:52現在のもの
表示の向きは違いますが、
JPY→USD と USD→JPY は
同じレートを裏表で表示しているだけです。
実際に数値を確認すると、
どちらも同じレートを基準にしていることが分かります。
実際の決済では、
このレートをそのまま使ったうえで、
「当社の両替手数料」だけが別枠で表示されます。
Wiseの決済レートは市場レートと一致した
たとえば、羽田空港で行った
2,300円の決済(マッサージ)では、👇
- 支払い金額:2,300円
- USDでの決済額:14.76 USD
- 当社の両替手数料:0.05 USD(約8円)
- 適用レート:1 USD = 156.315 JPY
USD/JPYの市場レートは 156.32。👇
数分の時間差を考えると、
Wiseが市場レート(ミッドマーケットレート)をそのまま使っている
ことが分かります。
銀行やクレジットカードの場合、
手数料がレートに上乗せされて見えにくいことが多いですが、
Wiseは レートと手数料を分けて表示する設計になっています。
この「あとから見ても何にいくらかかったかが分かる」点が、
Wiseの手数料が 実感として安い と感じる理由でした。
次は、実際に海外で使った場合の結果を見ていきます。
結論②|支払い通貨が違っても、Wiseの手数料に大きな差は出なかった
地中海クルーズ中、
通貨がユーロの国(フランス・イタリア)でカード決済を行いましたが、
支払い通貨を円(JPY)にしても、米ドル(USD)にしても、結果に大きな差は出ませんでした。
今回はあえて、
同じ場所・同じ時間帯で、
円払いとドル払いを同時に試す形で検証しています。
マルセイユ|1ユーロの支払い(トイレ利用)
- 支払い金額:1 EUR
- 相方:JPY(円)残高で支払い
- 私:USD(米ドル)残高で支払い
円払い・ドル払いともに、最終的な円換算額はほぼ同じでした。
どちらも、
Wise側で表示された手数料はごくわずかで、
通貨の違いによる大きな差は見られません。
- 支払い通貨:JPY
- 両替手数料:1 JPY
- 為替レート:1 EUR = 181.140 JPY
※今回は、
通貨ごとの処理の違いを確認するため、
あえて少額(1ユーロ)で比較しています。
ここで分かったこと
- JPYでもUSDでも、Wiseの処理結果に大きな差は出なかった
- 手数料率は、どの通貨でも おおむね0.3%前後
- 為替レートは、市場の実勢レートにかなり近い水準で反映されている
「どの通貨残高を使うか」よりも、
Wiseの処理自体の透明性が結果に強く影響していると感じました。
次は、カード決済以上に差が出やすかった
ATMでの現金引き出しを見ていきます。
結論③|ATMは「銀行系」を選ばないと、手数料が一気に跳ね上がる
今回の検証で、
カード決済以上に差が大きく出たのが、ATMでの現金引き出しでした。
同じWiseカードを使っても、
どのATMを選ぶかによって、
手数料は数百円で済む場合もあれば、
一気に数%〜10%近くかかるケースもあります。
ポイントはシンプルで、
Wiseの問題ではなく、ATM運営会社の問題でした。
ジェノバ|銀行系ATM(安かった例)
- 引き出し額:100 EUR
- 使用ATM:銀行系ATM(港ターミナル内)
- Wise手数料:約0.33 USD
- 手数料率:約0.28%
Wiseアプリに表示されていた 市場レートとほぼ完全に一致。
ATM側の追加手数料もなく、
低コストで現金を用意できました。
- ジェノバATM写真(安い)
- ジェノバ明細(116.61USD)
パレルモ|観光地ATM(Euronet/高かった例)
- 引き出し額:100 EUR
- 使用ATM:Euronet(非銀行ATM)
- ATM手数料:5.95 EUR(固定)
ATM運営会社による固定手数料が上乗せされ、
100ユーロの引き出しで
実質約6%前後のコストになりました。
- パレルモATM写真(高い)
- パレルモ明細(124.50USD)
同じ100ユーロを引き出しても、
ATMが違うだけで、1,000円以上の差が出ました。💦
少額引き出しほど不利になる理由
このタイプのATMは、
金額に関係なく1回あたり固定手数料を取ります。
そのため、
- 100ユーロ → 約6%
- 50ユーロ → 約12%
- 1万円相当(約60ユーロ) → 約10%
※ Wiseカードの作り方や、基本的な使い方については、
以下の完全ガイドでまとめています。
【実践編】ATMを選ぶときのコツ|手数料で損しないチェックポイント
海外で現金を引き出すときは、
「どのATMを使うか」で手数料が大きく変わります。
基本ルールはとてもシンプルです。
- Euronetは避ける
- 銀行名が分からないATMは使わない
- DCC(自国通貨での決済)を勧めてくる画面は断る
- 現地の大手銀行ATMを選ぶ
❌ 高くなりやすいATMの特徴(これだけ覚えればOK)
次のようなATMは、
会社名に関係なく避けるのが無難です。
- 銀行名が表示されていない
(「ATM」「Cash」「Exchange」などの表記だけ) - 派手な色・観光地のど真ん中に設置されている
- 画面で次のような表示が出る
「このレートで続行しますか?」
「〇〇円で引き出しますか?」
(=DCCへの誘導) - 固定手数料+不利な為替レートの二重取り
⭕️ 逆に“安くなりやすい”ATMの見分け方
次の条件がそろっていれば、
比較的安心して使えます。
- 現地の大手銀行名がはっきり表示されている
- 駅・空港・銀行支店内などに設置されている
- 画面で
現地通貨を選べる
DCC(円など)を断れる
地域別の例(参考)
- ヨーロッパ
BNP / UniCredit / Intesa など、各国の大手銀行ATM - インドネシア(バリ島)
BCA / Mandiri / BNI
(安いATMには自然と行列ができがち)
「国名+Bank」 が付くことが多いのも目安になります。
ひとことでまとめると
ATMは「場所」より「運営会社」で選ぶ。
迷ったら、現地の大手銀行ATM。
これを覚えておくだけで、
Wiseでもクレジットカードでも、
ATM手数料の失敗はかなり減らせます。
結論④|10万円で数千円、50万円で1万円以上の差が出る
今回の実測では、
Wiseの手数料は おおむね0.3%前後 に収まっていました。
一方、一般的なクレジットカードの海外利用では、
為替レートへの上乗せや事務手数料を含めて
1.6〜3%以上 かかるケースが多く見られます。
これを、旅行中によくある利用金額で比べると、
差は次のようになります。
利用金額ごとの手数料比較(目安)
| 利用金額 | Wise (約0.3%) |
クレカ (約1.8〜3%) |
差額 |
|---|---|---|---|
| 10万円 | 約300円 | 約1,800 〜3,000円 |
約1,500 〜2,700円 |
| 50万円 | 約1,500円 | 約9,000 〜15,000円 |
約7,500 〜13,500円 |
海外旅行やクルーズでは、
食事・カフェ・交通費・ちょっとした買い物を重ねると、
10万円や50万円は特別な金額ではありません。
1回の支払いでは気づきにくい手数料の差も、
旅の終わりには
「数千円〜1万円以上の差」 になっていました。
Wiseを実際に使って感じたこと|安心して使えた場面
今回の地中海クルーズでは、
MSCの船内費用の決済時にWiseカードを登録して使いましたが、
問題なく決済できました。
- 街中の店舗でも、ほとんどの場所で使え、
特にトイレでカードが使えたのは意外でした。 - 決済後は、すぐにメールで利用通知が届くため、
「ちゃんと処理されたか」をその場で確認できる安心感がありました。 - 実際にこの旅では、合計で約30万円ほど利用しましたが、
手数料差だけで見ると、およそ8,000円分の差になっています。
ポイントは3つだけ
- Wiseの安さは、少額では分かりにくい
- 使う金額が増えるほど、差ははっきり出る
- 事前に「どれくらい使うか」を想定すると判断しやすい
Wiseカードをどう使うのが正解かを整理します。
どの通貨で支払うかで手数料が激変する|Wiseは「お店の標準通貨」で払うのが正解
Wiseの手数料が安いと言われますが、
実際に使ってみて一番差が出たのは
「Wiseにどの通貨が入っているか」ではありませんでした。
本当に重要なのは、
そのお店(またはツアー会社)が、どの通貨を標準として決済しているか
という点です。
お店のレートで両替されると、手数料は一気に高くなる
たとえば、お店の標準通貨がユーロなのに、
支払い時にドルを選ぶと、
ユーロ→ドルの両替は Wiseではなく、お店(決済会社)側 で行われます。
このお店側レートには、
2〜3%、海外では 5〜10%近い為替手数料 が
上乗せされることもあります。
つまり、Wiseカードを使っていても、
通貨選択を間違えると普通に高くつく ということです。
正解は「お店の標準通貨」で支払うこと
お店の標準通貨(例:ユーロ)で支払えば、
両替は Wiseの内部 で自動的に行われ、
市場のリアルタイムレート+約0.3〜0.6%の手数料で済みます。
地中海クルーズ中、
Viatorで予約したジェノバ・ナポリ・パレルモのツアーは
すべてユーロ建てが標準でした。
ドル建てのまま支払うより、
ユーロに切り替えたほうが明らかに安くなりました。
一方、チュニスのツアーはドル建てが標準だったため、
ドルで支払っても問題ありませんでした。
覚えておくのは1つだけ。
Wiseにどの通貨が入っているかより、
「そのお店の標準通貨で支払っているか」 を確認すること。
これだけで、余計な為替手数料を避けられます。
詳細や最新情報は、
Wise公式ページで確認できます。
まとめ|Wiseカードはお得。ただし「使い方」はクレカと同じくらい重要
地中海クルーズ中に、
カード決済とATM利用を実測して分かったことをまとめます。
Wiseカードの特徴(お得だった理由)
- 為替レートは 市場レート(ミッドマーケットレート)そのもの
- 手数料はレートに含まれず、別枠で明示される
- 手数料はおおむね 0.3%前後で安定
- 円・ドルどちらの残高を使っても、結果に大きな差は出にくい
Wiseもクレジットカードも共通する注意点
- お店(決済元)の採用通貨で支払うことが重要
お店側の為替レートを使うと、手数料が高くなりやすい - ATM利用は選び方で結果が大きく変わる
銀行系ATM:無料または低コスト
非銀行ATM:固定手数料で高くなりやすい
少額引き出しほど、手数料率が上がる
Wiseカードは仕組みとしてはお得。
ただし「どこで・どう使うか」を意識しないと、
クレジットカードと同じように差が出ます。
仕組みを理解して使えば、
海外での支払いと現金管理を
かなりシンプルにしてくれるカードだと感じました。
カードの作り方や基本的な使い方、
日本での活用方法やATMの基礎については、
以下の完全ガイドで詳しくまとめています。
👉【2025年完全ガイド】Wiseカードの作り方・使い方|初めてでも失敗しないための全解説

