こんにちは、Appyです。

2024年、ピースボートで世界一周クルーズに乗船しました。乗船していた船は、パシフィック・ワールド号。私にとって、初めての本格的なクルーズ旅行でした。

当時の私は、ピースボートしか知りませんでした。
船内で水が使いやすいことも、客室でケトルが使えることも、手洗い洗濯が日課になることも、毎日日本語で予定を確認できることも、全部「そういうもの」だと思っていました。

でもその後、ナイル川クルーズやMSCスプレンディダの地中海クルーズを経験して、ようやく気づいたんです。

ピースボートは、長く暮らす船としてかなりよくできていた。もちろん、完璧な豪華客船ではありません。

Wi-Fiに文句を言った日もあります。毎日の手洗い洗濯にうんざりした日もあります。船内のあれこれに「なんでやねん」と思ったこともあります。

でも、他の船を知った今なら分かります。

水、洗濯、ケトル、日本語案内、船内新聞、顔見知りが増えていく空気。それらは、107日間を海の上で暮らすための大事な土台でした。

この記事では、乗船直後ではなく、他のクルーズ船も経験した今だからこそ見えてきた、ピースボートの船内生活を本音で振り返ります。

※この記事は、Appyが実際に乗船したピースボート118回クルーズの体験をもとにしています。船内設備や運用は、航海回や時期によって変わる場合があります。

ピースボート世界一周で乗船したパシフィック・ワールド号の船体

まず結論|ピースボートは「暮らす船」だった

ピースボートに乗る前は、世界一周クルーズという言葉から、寄港地のことばかり想像していました。

でもスケジュールを見れば分かるように、旅の大半は海の上です。

100日以上の航海のうち、地上に降り立つのは20日強。つまり、旅の5分の4近くは船の上で過ごすことになります。

だからピースボートで大事なのは、寄港地を楽しむことだけではありません。船の中で、どう暮らすか。

ここが、とても大きいのです。ざっくりまとめると、私が感じたピースボートの船内生活はこんな感じです。

👉 スマホの方は、表を横にスクロールできます。

項目107日暮らして感じたこと
客室寝る場所ではなく、長期生活の拠点になる
水・お湯使いやすく、生活コストを抑えやすい
洗濯有料でも洗濯室がある安心感は大きい
Wi-Fi完璧ではないが、思っていたより使えた
船内設備派手さより、日々使える場所が多い
イベント退屈するどころか、毎日何かある

パシフィック・ワールド号の第一印象

船内に入ってまず感じたのは、思っていたより大きいということでした。近年の大型リゾート船と比べると、派手さや広さは違います。

でも、レストラン、ビュッフェ、カフェ、ラウンジ、ショップ、診療室、美容室、マッサージ、デッキ、プール、イベント会場など、暮らすために必要な場所はひと通りそろっていました。

ピースボート船内の吹き抜けアトリウムと共有スペース

船内は、いわゆる豪華ホテルというより、海の上の町に近い印象です。
毎日同じ場所を通り、同じエレベーターに乗り、同じカフェを見かける。

最初は迷っていた船内も、少しずつ自分の生活圏になっていきました。
デッキをぐるりと散歩すると、だいたい1キロほど。
海を見ながら歩くだけで、ちょうどいい運動にもなりました。

客室|107日間の自分の部屋になる場所

乗船して初めて客室に入ったとき、これから始まる出来事にワクワクが止まらなかったのを覚えています。

クルーズ船の客室というと、寝るだけの場所と思うかもしれません。
でも、ピースボートでは客室が長期生活の拠点になります

寝る。
着替える。
荷物を整理する。
洗濯物を干す。
体調が悪い日はこもる。

寄港地から帰ってきてドアを開けた瞬間、
「ああ、帰ってきた」
と思う場所になっていました。

ピースボートの客室とベッド、長期航海の生活空間

収納は限られていますが、壁面やベッド下を使えば、思ったより物は入りました。

どこに何を置くか。
どうすれば取り出しやすいか。
洗濯物をどこに干すか。

日々の生活しやすさを考えるうちに、少しずつ部屋の使い方が決まっていきました。

出発前、経験者が口をそろえて言っていたのは、「荷物は最小限にした方がいい」ということでした。

分かってはいたのに、私は不要なものもたくさん持って行ってしまい、結局ベッドの奥にしまい込んだままになったものもがたくさんありました。

107日分の荷物選びは、なかなか難しい。これも、実際に暮らしてみて分かったことでした。

客室選びに正解などない

ピースボートを申し込むとき、私は窓なしの部屋でもいいと思っていました。
でも相方の強い希望があり、私たちはバルコニー付きの客室を選ぶことになりました。

海が見える。
天気が分かる。
朝か夜かが分かる。

それだけで、長い船旅の気分はかなり変わります。

ピースボートの客室バルコニーから見える海と外の光

ただ、乗船して分かったのは、客室選びに絶対の正解はないということです。旅の目的、好み、性格、予算によって、合う部屋は変わります。

社交的で、朝から晩まで船内イベントや共有スペースに出かけるタイプなら、窓なしの客室も十分選択肢になると思います。本当に「寝るだけ」で済む人もいるはずです。

一方、私たち夫婦のように、部屋でゆっくり過ごしたいタイプなら、窓ありやバルコニー付きの価値は大きいと感じました。部屋にいる時間が長かったので、ひとつしかないデスクとチェアは、いつも取り合いになりました。
いや、地味な争奪戦。笑

気分を変えたいときは、8階のピザが食べられるレストランへ移動することも多かったです。気づけば、そこが私の定位置になっていました。

水・お湯・洗濯・Wi-Fi|生活を支えたインフラ

ピースボートで暮らしていて、下船後にありがたさに気づいたのが、水とお湯です。レストランでは水やお湯を無料で出してもらえました。そして客室では、備え付けのケトルでお湯を沸かせます。

乗船中は、それを当たり前のことだと思っていました。

でもMSCに乗って、レストランの水は有料で、しかもそこそこ高い。
ビュッフェで水筒に水を入れるのは禁止。客室にケトルはなく、持ち込みケトルの使用も禁止。

外資系クルーズでは、こうした運用の船もあるのだと知りました。

その時に初めて気づいたんです。ピースボートには、日本にいるのと同じ感覚で暮らせる土台があった。

生活のために持参した水筒類生活のために持参した水筒類

客室でお湯を沸かせるだけで、船内生活の自由度はかなり上がります。

朝にお茶を飲む。
夜に温かいものを飲む。
ショップや寄港地で買った飲み物を試してみる。

全部、自分のペースでできます。ピースボート、生活インフラが地味に強い。

ピースボート船内の給水と給湯コーナー洗濯|クルーズ中の家事といえば、これだけ

107日間の船旅で避けて通れないのが、洗濯です。

ピースボートには、有料で使えるコインランドリーやランドリーサービスがあります。ただ、私たちは節約も兼ねて、手洗い+部屋干しが中心でした。

ピースボート船内のセルフランドリーと洗濯機洗濯も船内生活の一部。長く暮らすための設備が、身近に用意されていました。

乗船中は、コインランドリーやランドリーサービスの料金を高いと思っていたのすが、下船後、他のクルーズ船のランドリー料金を知って、驚きました。ピースボートの料金は、長期で暮らす船としてはかなり良心的だったのです。

最初は面倒だった手洗いも、慣れてくると毎日のルーティンになります。

どの服が乾きやすいか。
どこに干せば邪魔にならないか。
どのタイミングで洗えば翌朝には着られるか。

そんなことを考えながら暮らしていると、もはや旅というより生活です。

船室はかなり乾燥しているので、薄い衣類なら思ったより早く乾きました。マグネットフックや薄手のハンガーにもずいぶん助けられました。

厚手の衣類や大量の洗濯物は、コインランドリーやランドリーサービスを使った方が楽でした。

詳しい手洗い方法、コインランドリー、ランドリーサービス、干し方の工夫は、こちらの記事でまとめています。

ピースボート船内の洗濯事情まとめ|手洗い・コインランドリー・ランドリーサービス体験談

Wi-Fi|文句は言ったけれど、実はかなり快適だった

船内Wi-Fiについては、正直に言うと完璧ではありません。海域や時間帯によって、つながりやすさは変わります。乗船中は、Wi-Fiに文句を言った日もありました。

でも、MSCスプレンディダに乗船してから考えが変わりました。ピースボートで使われていたスターリンクのWi-Fiは、船内Wi-Fiとしてはかなり快適な部類だったのだと思います。

しかも、料金も比較的良心的でした。ほかのクルーズ船では、速度や料金にかなり差があることも知りました。

ピースボートのWi-Fiは、地上のようにサクサクとはいきません。でも、ブログ更新、LINE、調べものなどは、時間帯や使い方を工夫すれば十分使えました。
私の中では、下船後に評価が上がったもののひとつです。

Wi-Fiの料金や使い方、節約術は別記事で詳しくまとめています。

【最新版】ピースボートのWi-Fiって実際どう?料金・通信・通話のリアル体験まとめ

食事のたびに気合いを入れなくていい気楽さ

ピースボートで暮らしやすかった理由のひとつが、服装の気楽さです。

一般的なクルーズ船では、フォーマルナイトやドレスコードがあり、夕食のたびに少し服装を意識する場面があります。

もちろん、それはそれでクルーズらしい楽しみでもあります。でも、長い航海では「毎回きちんとした服装を考えるのは疲れる」と感じる人もいるのではないでしょうか。

私自身も、クルーズ旅行にフォーマルなシーンはなくてもいいかなあと思うタイプです。実際、下船後にクルーズ船を選ぶときも、フォーマルナイトが少ない、または気軽に過ごせる船を選ぶようになりました。

その点、ピースボートはかなりカジュアルでした。船内生活は、基本的にTシャツや普段着で過ごせます。

ただし、メインレストランでは水着・短パン・サンダルのような格好は避けた方が無難です。私自身も、きれいめの運動着のような格好でレストランへ行くことが多かったです。

最低限の清潔感があれば、毎食ドレスアップする必要はありません。この気楽さは、100日以上を過ごす船ではかなり大きな安心感でした。

船内新聞|毎朝「今日は何しよう」から始まる

ピースボート生活で欠かせなかったのが、船内新聞です。

毎日、船内で行われるイベントや講座が一覧になっていて、避難訓練、時差調整、寄港地の到着予定などの重要なお知らせも掲載されています。

船内新聞を見るのと見ないのとでは、船内生活の充実度がかなり変わります。

ピースボートの船内新聞と一日のスケジュール118回クルーズの船内新聞 現在は様式の変更あり。

夜になると、翌日の船内新聞がドア横の書類入れに入れられます。
それを見ながら、
「明日は何があるかな」
と予定を考える。これが、多くの人の日課になっていました。

私の場合、分かっていながら見ない日も多かったです。こういうところに、日常でどれだけゆるく生きているかが出ます。笑
お目当ての講座を見逃して、悔しい思いをしたことも何度もありました。

そんな私を気にかけて、お友達が「今日これあるよ」と教えてくれたこともあります。ありがたい。そして、自分で見なさい。笑

何もしなくても時間は過ぎます。でも、何かしようと思えば、毎日いろいろある。講座、自主企画、運動、音楽、展示、発表会。

船内新聞は、海の上の新聞というより、その日の人生の選択肢一覧でした。

今日は講座に行くのか。
カフェでぼーっとするのか。
デッキで海を見るのか。
それとも、何もしないのか。

船内の居場所|デッキ・カフェ・図書・映画

ピースボートは、人との出会いやイベントが多い船です。
でも、毎日誰かと話したいわけではありません。

長い船旅では、客室以外に落ち着ける場所があることも大事です。
カフェ、ラウンジ、窓際の席、図書スペース、映画上映。
そういう場所が、自分の「船内の居場所」になっていきます。

ピースボート船内のカフェとラウンジの共有スペース

私は5階のカフェや、8階のピザが食べられるレストランの雰囲気も好きでした。有料のコーヒーなどの飲み物もありますが、そこは単に飲み物を買う場所というより、気分を変える場所。

客室にこもりすぎず、でもイベントに参加するほど元気でもない。そんなときに、ちょうどいい場所でした。
気づけば、船内に「いつもの場所」ができていました。そこへ行くようになると、旅というより生活に近づいていきます。

ピースボート船内の図書スペースと本棚図書スペース|乗船者やスタッフが寄付したもの

船内には、本棚が1つだけ置いてあり、自由に借りることができました。乗船直後は本がいっぱい詰まっています。

ところが、みんな早めに借りていくので、気づけばスコスコになっていきます。そして下船が近づくと、今度は手持ちの本を寄付する人が増えて、また本棚がパンパンになる。この変化も、長期航海らしくて面白かったです。

また、船内では定期的に映画上映もありました。イベントにあまり参加せず、映画を楽しみにしている人もいました。

デッキと海|何もしない時間も、船旅の一部

ピースボートには、イベントもたくさんあります。

でも、私が好きだったのは、何もしない時間でもありました。デッキに出る。風に当たる。海を見る。夕日を待つ。それだけで、けっこう満たされます。

ピースボートのデッキから眺める海と空

世界一周というと、どうしても寄港地やイベントに目が向きます。

でも、実際には海の上で過ごす時間が長い。その時間をどう感じるかで、ピースボートの満足度は変わると思います。

イベントに行かなくても、デッキに出て海を見るだけで一日が成立する。これは船旅を知らなかった頃の私には分からなかった感覚です。

船内設備|ショップ・プール・ジム・美容室・マッサージなど

船内ショップ|ちょっとした買い物ができる安心感

船内にはショップもあります。日用品やお土産、ちょっとしたものを買える場所があるのは、長期航海では安心です。

ピースボート船内ショップと商品棚

日本のお店で見かけるようなお菓子やお酒類が並んでいました。そのほか、Wi-Fi、コピーサービス、GETの英会話テキストなども、船内ショップで扱われていました。
価格は地上と同じ感覚ではありません。それでも、船の上では「買える場所がある」だけで助かることがあります。

寄港地のあとは、その土地のものが仕入れられていることもありました。

南アフリカのあとには、キリンの置物。レイキャビクのあとには、毛糸の手袋。パペーテのあとには、真珠のネックレス。
買わなかったけれど、見に行くのがちょっとした楽しみでもありました。

乗船前半は、日本のものもたくさん並んでいましたが、後半になると売り切れも増えて、ショップが少しずつ殺風景になっていくのを感じました。

用事もないのに、ウロウロと見回る。これは私だけの習性だったのかもしれません。笑

詳しい品ぞろえや活用法は、船内ショップの記事でまとめています。

ピースボート船内ショップ完全攻略|買えるもの&価格の目安を写真で紹介

プール・ジャグジー・ジム|意外と運動不足にはならなかった

ピースボートには、プールやジャグジー、ジムなどもあります。私は毎日しっかり使いこなしたタイプではありませんが、使う人にとっては大事な場所です。

ピースボート船内のプールプール(正面)とジャグジー(左)
ピースボート船内のジムと運動スペース

クルーズというと、食べて、座って、また食べて、太りそうなイメージがあるかもしれません。私も乗る前は、少しそう思っていました。でも実際のピースボート生活は、思った以上に動きます。

船内はそれなりに広く、レストラン、ビュッフェ、イベント会場、デッキを行き来するだけでも、自然と歩数が増えます。

私はエレベーターを使わず、できるだけ階段で移動していました。5階のレセプション付近から、14階のビュッフェまで。これを1日に1往復するだけでも、なかなかの運動です。

さらにイベントも多く、寄港地では歩きます。私の場合、客室でヨガもしていました。世界一周に来てまで、部屋でヨガ。でも、これがけっこう体調管理に効きました。

帰国する頃には、学生時代の体重に近づいていました。自分でもびっくりです。

実際、ピースボートでは、太るどころか痩せる人が多かった印象があります。
嘘のようですが、本当の話です。

もちろん、食べ方や過ごし方によって個人差はあります。でも、船内を歩き、階段を使い、イベントや寄港地で動いていると、クルーズだから必ず太るとは限らない。

これも、乗ってみて初めて分かったことでした。

美容室・マッサージ・鍼治療もあった

船内には、美容室やマッサージ、鍼治療のような有料サービスもありました。長期航海では、髪を切りたい、体をほぐしたい、肩こりや腰の疲れをどうにかしたい、という場面も出てきます。

特に美容室は、航海の後半になると予約が埋まっている印象でした。100日以上の船旅なので、「乗船中に1回か2回は髪を切る」と決めている方も多かったのだと思います。

寄港地で散髪したという方もいらっしゃいました。それを聞いて、私は「寄港地の時間がもったいないような……でも、それも旅のイベントか」と思っていました。

船内美容室を利用したい方は、早めに予約しておく方が安心です。ちなみに私は、美容室は利用しませんでした。いつも髪を後ろで束ねていたので、伸びたかどうか分かりにくい髪型にしていました。これも計画的です。笑

一方で、私は「あまま」の鍼マッサージを利用しました。なかなか疲れが取れなかったので、思い切って行ってみたところ、体がほぐれてかなり楽になりました。

料金は地上よりやや高めに感じましたが、船内でこういうケアを受けられる場所があるのは安心でした。

船内イベント|退屈するどころか、毎日何かある

ピースボートは、船内イベントがとても多い船です。「107日も船にいて退屈しないの?」と聞かれることがありますが、私の答えは、

退屈するどころか、選びきれない日もある。

です。

ピースボート船内で行われた水彩画教室の様子

講座、自主企画、語学、音楽、運動、展示、発表会。

なかでも「自主企画」は、ピースボート独特の面白さだと思います。乗船者なら、誰でも自分で企画を立てて、教室や集まりを主催できます。

初乗船の方も、リピーターさんも、自分の得意なことや好きなことを無料で開いてくれる。参加する側としては、なんてありがたい仕組みなんだろうと思っていました。

文化系なら、英語などの語学、絵画、書道、合唱、地政学、金融、麻雀、将棋。
スポーツ系なら、ヨガ、太極拳、卓球、ズンバ。
屋外では、バスケ、バレーボール、スケボーなどもありました。

船内新聞を見ていると、初めて聞くようなテーマの講座を見つけることもあります。これが、本当に面白い。

海の上にいるのに、毎日どこかで誰かが何かを始めている。ピースボートは、ただ移動する船ではなく、乗っている人たちが船内生活を作っていく船でもありました。

イベントの話をここで全部書くと長くなりすぎるので、詳しくは別記事でまとめる予定です。ここでは、ピースボートは「海の上でも退屈しにくい船」だった、とだけ書いておきます。

船内生活のリアル|なんでやねんも、ありがたいも毎日の中にある

ここまで、ピースボートの暮らしやすさを中心に書いてきましたが、もちろん何もかも完璧だったわけではありません。

船は海の上を動く大きな町のようなもの。長く暮らしていれば、小さなトラブルも大きなトラブルも起こります。

私が乗船した118回クルーズでは、台風の影響で出航が1日遅れました。

乗船時には、事前に送ったダンボールが一部つぶれていて、中のプラスチックケースのフタが割れていました

客室では、換気扇からキーンという音がしたり、エアコンのファンがカラカラ鳴ったりしました。でも、部屋担当のスタッフに伝えると、修理担当の方が来て直してくれました。

なんで最初から鳴ってるんや。でも、直してくれるのは早い。そんな「なんでやねん」と「ありがたい」が、船内生活には同時にありました

長期航海では、スタッフの存在も大きいです。

客室を整えてくれる人、レストランで声をかけてくれる人、修理に来てくれる人、困ったときに案内してくれる人。107日も乗っていると、スタッフの顔も少しずつ覚えていきます。

船内放送も、暮らしの一部でした。避難訓練、寄港地の案内、時差調整、帰船していない人の呼び出し

時計を1時間進めたり戻したりする日もあり、世界一周らしい生活リズムに体を合わせていきます。

そして、乾燥や船酔い、体調不良の波もあります。船内は楽しい場所ですが、同時に体調管理も自分で意識する場所でした。

ピースボートは、完璧ではありません。多少の不便があっても、スタッフに助けられたり、自分で工夫したりしながら暮らしていく船でした。

人間関係|顔見知りが増えて、船が小さな社会になる

107日も同じ船にいると、自然と顔見知りが増えます。

レストランで会う人。
エレベーターで一緒になる人。
イベントでよく見る人。
デッキで夕日を眺めている人。

名前は知らなくても、「あ、あの人またいる」という存在が増えていきます。

ピースボートは、長く乗るほど船全体が小さな社会のようになります。それが安心感にもなります。

一方で、人との距離が近く感じる日もあります。誰かと話したい日もあれば、ひとりでいたい日もある。

そのバランスを自分で取ることも、船内生活の大事なコツでした。船内生活は、設備だけではなく、人との距離感も含めて成り立っていたのだと思います。

下船の日に気づいた、もうひとつの船内社会

ピースボート118回クルーズの下船日は、横浜が先で、神戸が翌日でした。

横浜で多くの方が下船する日、私は出口の近くで友人たちとの別れを惜しんでいました。107日間、同じ船で過ごした人たち。見慣れた顔が次々に降りていくのを見て、いよいよ旅が終わるんだなと感じました。

ところが、その一方で驚いたこともありました。下船していく人の中には、私が一度も見たことのない方がたくさんいたのです。

ピースボート118回クルーズには、約1,700人が乗船していたと聞いています。でも、私が普段接していたのは、その中のほんの一部だったのだと、その時初めて実感しました。

私が顔を合わせていたのは、イベントに出たり、レストランやデッキに出てきたりする、比較的アクティブな方たちだったのかもしれません。

特にリピーターの方の中には、自分のペースで静かに過ごし、あまり人前に出てこない方も多かったのだと思います。ピースボートは「村」のような船だと感じていました。

でも実際には、その村の中にも、いくつもの生活圏がありました。

にぎやかに過ごす人。
静かに過ごす人。
毎日イベントに出る人。
自分の部屋やお気に入りの場所で過ごす人。

同じ船に乗っていても、見えている世界は人によって違う。それもまた、長期クルーズの面白さだと思います。人間関係については、また別の記事でじっくり書きたいテーマです。

良かった点・注意点|暮らしやすいけれど、完璧なホテルではない

ピースボート船内生活で良かった点

107日暮らして感じた、ピースボート船内生活の良かった点をまとめると、こんな感じです。

  • 日本語で生活できる
  • 水・お湯が使いやすい
  • 客室でケトルが使える
  • 手洗い・コインランドリー・ランドリーサービスを選べる
  • 和食や日本人向けの食事がある
  • 船内新聞で予定が分かりやすい
  • 船内イベントや自主企画が多い
  • 顔見知りが増え、安心感が生まれる
  • 客室以外にも、自分の居場所を作れる
  • にぎやかに過ごすことも、静かに過ごすこともできる
  • 長期で暮らすための仕組みがある

どれも、派手ではありません。
でも、100日以上を海の上で過ごすには、とても大事なことばかりでした。

注意点|豪華客船のイメージとは少し違う

ピースボートは、いわゆるラグジュアリーな豪華客船とは違います。
ホテルのような完璧なサービスを期待すると、少し違うと感じるかもしれません。

  • Wi-Fiは万能ではない
  • 船内価格は地上より高めに感じることもある
  • 洗濯や乾燥には工夫が必要
  • 人との距離が近く感じる場面もある
  • 体調管理は自分でも意識する必要がある
  • 予定を詰めすぎない工夫が必要

ただし、「人間関係が近い」というのは、必ずしも悪い意味だけではありません。顔見知りが増える安心感もあれば、少し距離を置きたい日もあります。

大事なのは、無理に誰かと関わり続けることではなく、自分に合う距離感を見つけることだと思います。私は、それも含めてピースボートらしさだと感じました。

完璧なリゾートではありません。でも、少しずつ慣れていくうちに、居心地がよくなっていく船でした。

まとめ|派手さより、毎日の安心感が魅力だった

ピースボートに乗っていた当時、私はこの船の暮らしやすさを、そこまで意識していませんでした。

水が使える。
ケトルがある。
洗濯の選択肢がある。
和食がある。
船内新聞がある。
日本語で案内がある。

それが普通だと思っていました。

豪華さより、生活のしやすさ。
派手さより、毎日の安心感。

それが、私が今あらためて感じているピースボートの魅力です。

食事については、別記事で詳しくまとめます。

毎朝の和定食、ビュッフェの日本茶や豆乳、薄味問題、有料寿司や居酒屋など、107日食べ続けたからこそ分かったことがたくさんあります。

ピースボートの船内生活を知るうえで、食事はかなり大きなテーマです。