ワーホリや学生ビザ、最近注目されているデジタルノマドVISAなど、海外に長期滞在するには「保険証明」が必須になる国が多くあります。
でも、いざ調べてみると──
- 旅行保険と健康保険の違いが分からない
- クレジットカード付帯保険は使えるの?
- どの保険会社なら大使館に提出できる証明書を発行してくれるの?
こんな疑問にぶつかる人は多いと思います。
実際、保険なしで申請を進めてしまうと「証明書が出せずにビザが下りない」というケースもあります。
特にノマドVISAや学生ビザは、加入証明(英文)が提出条件として明記されている国も多く、知らずに準備不足になると大きなリスクです。
この記事では、
- なぜ大使館が保険証明を求めるのか
- 旅行保険と健康保険の違い
- ビザ証明書を発行できる保険会社はどこか
- アジア・ヨーロッパのビザ事情の違い
をまとめて解説します。
これからワーホリや留学、ノマド生活を考えている方が「自分に必要な保険」をイメージできるように、実例と比較表も交えて整理しました。
海外保険の全体像を比較したい方は、まずはこちらの記事からチェックしてください。
👉 ノマド・長期旅行者向け海外旅行保険7社比較
なぜビザ申請に保険が必要なのか?
医療費の高さと社会保障の違い
海外で病院にかかると、日本の感覚とはまったく違う金額になります。
アメリカでは入院1日で数十万円〜数百万円、ヨーロッパでも救急車や手術に高額の費用がかかります。
旅行者や滞在者は現地の社会保障制度に入っていないため、病院から見れば「すべて自費で払う人」。
そのリスクをカバーするために、各国の大使館や移民局は「保険証明の提出」を条件にしています。
大使館・移民局が保険証明を求める背景
ビザ審査のときに保険を求めるのは、「滞在中にトラブルがあっても国の負担にならないようにする」ためです。
特に以下のビザでは、英文の加入証明書が必要になるケースが多いです。
- ワーキングホリデービザ(カナダ、オーストラリアなど)
- 学生ビザ(欧州、アジア各国)
- デジタルノマドVISA(ジョージア、ポルトガル、スペインなど)
このように「保険=安心のため」だけでなく、「ビザ発給の条件」として必須になるケースが増えてきています。
旅行保険と健康保険の違い
旅行保険(Travel Insurance)の特徴
- 短期〜中期の旅行者向け
- 補償範囲:急病・ケガ・救急搬送・死亡保障・一部のトラブル(盗難・遅延など)
- 慢性疾患や定期健診、出産関連は対象外
- 数週間〜数か月の滞在に最適
👉 イメージ:「旅のトラブル対応」専用。
健康保険(Health Insurance / Nomad Health)の特徴
- 長期滞在や居住を前提とした医療保険
- 補償範囲:急病・ケガに加え、慢性疾患の治療・定期健診・出産・予防接種など(プランによる)
- 現地の国民健康保険の代替として機能
- 生活を海外に移す人(デジタルノマド、駐在員、留学生)向け
👉 イメージ:「暮らしを支える保険」。
AURASはどの位置づけ?
- AURASは旅行保険ベース
- 急病・事故・搬送・救援費用などはカバー
- 既往症や慢性疾患の長期治療は対象外
- ただし、英文の加入証明書(Insurance Certificate)を即時発行できるため、ビザ申請に利用可能
👉 まとめると:
- 旅行保険=短期滞在や観光ビザ用
- 健康保険=居住ビザ用(慢性疾患もカバー)
- AURAS=旅行保険だけど「ビザ証明書発行OK」で、ノマドVISAや学生ビザでも利用できる
ビザ証明書に対応できる保険会社7社比較
証明書発行OK:AURAS / SafetyWing / Genki
- AURAS 即時に英文の加入証明書(PDF)が発行可能。日本語UIにも対応しているため、日本人でも申込みがスムーズ。デジタルノマドVISAや学生ビザ申請に実績あり。
- SafetyWing 申込後に「Insurance Certificate」を発行可能。世界中から契約できるサブスク型で、ノマドVISA申請者の利用実績も多い。
- Genki 申込完了後に即メールで証書(英文)が届く。出国後加入も可能で、ヨーロッパの学生ビザやノマドVISAでの利用事例あり。
証明書が不十分な保険会社
- World Nomads 契約証書は出るが、国によっては「ビザ用証明」として認められないことがある。
- Insured Nomads クルーズやアプリ連動など特典は豊富だが、ビザ用証明は保証されていない。
- Heymondo アプリ完結型で便利だが、ビザ用途に対応しているかは公式に明記なし。
- Globe Partner 若年層向け(40歳未満)。証券は出るが、VISA申請での実績情報は少ない。
【比較表】7社 × 証明書対応 × 特徴まとめ
保険会社 | 証明書発行 | 特徴 |
---|---|---|
AURAS | ◎ 即時発行(英文PDF) | 出国後加入OK、日本語UIあり。ノマドVISAや学生ビザの証明書で利用実績あり。 |
SafetyWing | ◎ 発行可能 | 月額サブスク型。世界中から加入でき、ノマドVISA申請でも利用されている。 |
Genki | ◎ 即メール送付 | ドイツ発の月額型。出国後加入OK、学生ビザやノマド向け証書を即発行。 |
World Nomads | △ 契約証書PDFあり(国による) | アクティビティ特化。旅行用には強いが、VISA証明として認められるかは国次第。 |
Insured Nomads | △ アプリ証書あり(用途未確認) | クルーズ専用プランやデジタル特典あり。ただしビザ用途は公式保証なし。 |
Heymondo | △ アプリで証券発行(実績不足) | スマホ完結型で便利。49歳までの長期プランあり。VISA証明の情報は少ない。 |
Globe Partner | △ 証券あり(実績不足) | 40歳未満限定。コスパは良いが、VISA証明の利用事例は少ない。 |
各社の詳細な補償内容や注意点は、個別レビュー記事で解説しています。
一覧で比較したい方はこちらをご覧ください。
👉 ノマド・長期旅行者向け海外旅行保険7社比較
デジタルノマドVISAと保険条件
欧州で広がるノマドVISAの概要
近年、ヨーロッパを中心に「デジタルノマドVISA」が次々と登場しています。
これは、リモートワーカーやフリーランサー向けに発行される長期滞在ビザで、数か月から1年以上の滞在が可能になります。
代表的な国としては、ジョージア・ポルトガル・スペイン・クロアチアなどがあります。
保険証明が必須になる国の例
デジタルノマドVISAでは、多くの国が「海外医療保険または健康保険」の加入を条件にしています。
- ジョージア:「保険加入証明(英文)」が申請要件に含まれる
- ポルトガル:医療保険(健康保険に相当)への加入証明が必須
- スペイン:デジタルノマドVISAでの滞在には、年間を通じた健康保険証明が必要
このように、国によって「旅行保険」で十分な場合と、「健康保険レベル」が必要な場合が分かれます。
アジアのVISA事情と保険
タイ・フィリピン・マレーシア・インドネシアの長期滞在制度
- タイ 通常の観光ビザは30日、延長で60日まで。リタイアメントビザやエリートビザでは医療保険加入が条件になることもある。
- フィリピン 観光ビザで30日滞在可能。延長を重ねれば最長3年間まで合法的に滞在できる仕組み。医療保険は必須条件ではないが、長期滞在者は加入しておいた方が安心。
- マレーシア 「MM2H(マレーシア・マイ・セカンドホーム)」ビザで長期滞在可能。申請時に医療保険加入が求められる。
- インドネシア(バリ島など) 観光ビザ(30日)+延長や「B211Aビザ」で半年滞在可能。デジタルノマドビザ構想はあるが、現時点では観光ビザ延長で済ませる人が多い。
アジア滞在は保険不要?リスクと注意点
アジア諸国では、観光ビザや延長制度を利用すれば「保険証明なし」で長期滞在できる場合が多いです。
ただし、医療費は現地実費になるため、無保険での長期滞在は非常にリスクが高いのが実情です。
特にタイやフィリピンの私立病院は、欧米並みに高額な請求をされるケースもあります。
👉 結論:アジアでは形式的に保険証明が不要でも、「海外旅行保険(AURAS・SafetyWingなど)」を持っておくのが安心。
クレジットカード付帯保険はVISA申請に使える?
90日ルールの壁と証明書が出ない問題
日本のクレジットカードに付帯している海外旅行保険は便利ですが、ビザ申請には不向きです。
理由は大きく2つあります。
- 90日ルール 多くのクレカ保険は「出国から90日間」で補償が終了します。長期滞在やノマドVISAの審査には期間が足りません。
- 証明書が発行されない クレカ保険は「持っているだけで有効」または「利用付帯」で条件を満たす仕組みですが、英文の加入証明書を発行してもらうことは基本できません。そのため、大使館や移民局に提出する正式な「保険証明」としては使えません。
長期滞在では民間保険が必須
ピースボートや長期クルーズでも同じ問題がありましたが、ビザ申請も同様です。
長期滞在を予定している場合は、AURAS・SafetyWing・Genkiなど「証明書を発行できる海外旅行保険」を契約しておくことが必須になります。
大使館リンク集(国別)
ビザ申請に必要な保険条件は、国ごとに異なります。
最新情報は必ず大使館や領事館の公式ページで確認するのが安心です。ここでは代表的なリンクをまとめます。
ノマドビザ対応国
- ポルトガル大使館(デジタルノマドビザ)
在日ポルトガル大使館 - スペイン大使館(デジタルノマドビザ)
在日スペイン大使館 - ジョージア大使館(ノマドVISA)
在日ジョージア大使館
ワーホリ協定国
- カナダ
在日カナダ大使館 - オーストラリア
在日オーストラリア大使館
日本外務省のビザ情報
今回紹介したビザ申請と保険の関係は、各社の特徴を知っておくとさらに分かりやすいです。
👉 海外旅行保険7社の比較記事はこちら

まとめ:どの保険を選ぶべきか?
海外で長期滞在をするには、観光と違って「保険証明」がビザの条件になることが多いです。
でも、ひとくちに“保険”といっても、旅行保険と健康保険では役割が違います。
- 短期(ワーホリ・短期留学) → 旅行保険で十分対応可能。証明書が発行できる保険を選ぶこと。
- 中期〜長期(デジタルノマドVISA、学生ビザなど) → AURAS・SafetyWing・Genkiなら、英文の加入証明を即時入手できるので安心。
- 居住レベル(EU長期ビザ、駐在系) → CignaやAllianzなどの国際健康保険が必要になるケースあり。
そして忘れてはいけないのが、クレジットカード付帯保険は証明書が出ないため、ビザ用途には使えないという点です。旅行の補助には便利でも、長期ビザを申請する人は必ず民間保険を準備しておきましょう。
👉 まずは自分の滞在目的(観光/留学/ノマド/移住)を整理して、必要なレベルの保険を選ぶのがポイントです。
よくある質問
旅行保険の証明書でビザ申請できる国もありますが、健康保険が必要な場合もあります。国ごとの条件は大使館で確認が必須です。
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はい。スペインやドイツなど一部のEU諸国では、旅行保険ではなく「健康保険」の加入証明が必須条件になっています。
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クレカ保険は90日で補償が切れるうえ、英文証明書を発行できないため、ビザ申請には利用できません。
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AURAS・SafetyWing・Genkiは出国後でも加入可能です。待機期間がある場合もあるので事前に確認しておきましょう。
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出発前に加入するのが基本です。すでに海外にいる場合は、出国後加入OKの保険を選べば申請に間に合います。
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