知識も予習もないまま飛び込んだ、
あの巨大な博物館。
ツタンカーメンの黄金マスクは撮れなかったけれど、
あの日の匂いと、眩しさだけは、
なぜかずっと残っている。
この門の向こうに、
思ってたよりも強烈な「エジプト」が待っていた。
予習なしの私を、
3,000年分の展示が待ち受けていた。
眠っているのか、見つめられているのか。
ミイラの目が、記憶に焼きついている。
知らない言葉。
知らない神話。
でも、写真だけはしっかり撮る。
ガイドさんの話が分からなくても、
手元の赤い光は、ちゃんと導いてくれる。
もう出口? まだ頭に入ってない。
でも、足だけは次に向かってる。
「動き」と「王の力」は、
左脚に込められていたらしい。
私の脚は、ずっと止まったままだった。

